Music Studio - Kaz22
 楽器・機材の紹介


Analog Modeling Synthesizer

Alesis micron


2008.10.03
2008年9月初旬、御茶ノ水の某楽器店で Alesis micron を購入した。Alesis の日本語ウェブサイトによれば Analog Modeling Synthesizer というカテゴリのシンセということのようだ。要はデジタル回路でもってアナログシンセを再現したということになるのかな。発売は2004年で、Alesis のシンセで今日現在国内で正規に販売されているのはこの micron だけのようだ。写真の通り、コンパクトでかわいくて、カッコイーやつだ。



<micron を買うことになった理由>

2004年から海外赴任時に使っていたコンパクトなMIDIキーボード Edirol PCR-1が壊れてしまったので、その後継となるキーボードを次の条件の下であれこれと物色した挙句、micron に決めた。

@ 海外では寮生活なので、場所をとらないコンパクトなキーボードが良い。(机の上にノートパソコンと並べて使えるような具合に。)
A いくらコンパクトでもミニ・キーはダメ。演奏技術が上達しないので。(といっても、そう偉そうに言えるほどの技術があるわけではない。)
B フルサイズキーでも2オクターブモデルよりも3オクターブが良い。(PCR-1の経験から、2オクターブだと弾いていてどうしても上か下が足りなくなって、フレーズがスムーズに流れない。)
C 4オクターブあれば両手弾きを練習できるが、コンパクトではなくなる。

と言う訳で、本来は37キーの MIDI キーボード を探していたのだが、該当するそのジャンルの製品としては32キーのEdirol PCR-300 か、ちょっと毛色の違うLine 6のKB37 ぐらいしか見つからなかった。この内、後者はキータッチが良くないので即失格。

PCR-300を選ばなかったのは、32キーの割には全体のサイズが結局 micron と余り変わらないか、寧ろ大きめだったので。

あと、シンセということでは Korg R3 も有力候補として比較検討したが、やはりサイズとキータッチで micron に敵わなかった。


そもそもは MIDI キーボードコントローラーの代用として入手した micron であるが、本来の姿であるシンセとしても素晴らしく、とても良い買い物であった。但し、音色のプログラミングはインターフェースの問題で余りにもハードルが高すぎ、実用的でない。

<音色>

@ アナログ特有の腰のある太い音が出る。

A 私個人の好みが多分にあるが、キーボード系とベース系のプリセット音色はvery good。他にも結構使って見たいと感じる音色がプリセットされている。

B れっきとしたアナログ系統のシンセであり、サンプリングされた音源をベースとしたものではないので、生楽器の忠実なシミュレーションを期待してはいけない。

<機能>

@ ステップシーケンサー/アルペジエーター機能があるが、私自身は曲作りに殆ど使わないであろう。遊びで鳴らして使う分には面白い。

A マイクを接続してボコーダーにもなるが、未だ試していない。これは使ってみたい機能である。

B プログラミング・インターフェースとしては2行表示のLCDパネルとロータリーノブ1つ、ボタン5つだけである。これではなかなか積極的にプログラミングをしようという気にはならない。幸いプリセット音色の数が多く、前述のように(個人的には)使える音色がかなりあるので困らない。2つのスライダーや3つのロータリーノブを使って色々とプリセットのバリエーションを簡単に作ることはできる。


micron を買ってとても満足しているが、良いことばかりではない。

本体でのプログラムエディットがやり辛い理由として、ディスプレーが小さいことやボタン、ノブ類が少ないことは外見から容易に察しがつくが、マニュアルにも問題がある。

まず、今まで MIDI 機材のマニュアルには当然あると信じていた MIDI インプリメンテーション・チャートが載っていない。パラメーター・リストすら無い。エディット可能なパラメーターとその値のレンジは、マニュアルの説明文から読み取るか、実際に本体のディスプレ−上にパラメーターを呼び出してみないことには判らないのである。幸いシグナル・フローを示すブロック図が掲載されているので、どのようなモジュールがあって、それらがどういう関係にあるのかはなんとなく理解できる。

パソコン上で動作するサード・パーティー製の音色エディターをインターネットで購入することも可能だが、是非とも Alesis から無償で提供してほしいものである。